「音楽理論ってやっぱり必要ですか?」

「音楽理論ってやっぱり必要ですか?」という質問をいただいて、ものすごくいい質問だなあと思ったので書きます。なぜなら、僕もかつて「理論なんていらねぇよ」と思っていたからです。

音楽理論って何よ?

理論とは、ようするに知識です。
例えば、感情で
「女の子を喜ばせたい」と思っても、
「女の子がどんな事で喜ぶのか」という
知識がないと、喜ばせられません。

逆に、知識ばっかりで
「女はこれが好きなんだろ?」とやってる男も
嫌な感じです。

つまり、感情と理論というのは
両方が揃って初めて
ちゃんとしたものになるのです。

これらは、車輪の右と左と同じで、片方だけだと安定しません。例えば、よく芸人やスポーツ選手に、スランプから脱出できなくなって消えていく人がいます。あの人たちは、今まで感覚だけでやってきたから、一度感覚が狂うと直しようがないのです。なぜなら、感覚というのは非常に曖昧で、変わりやすいものだからですね。

一方、理論とは
色々な人が今までの経験から導き出した
膨大な「こうやればこうなる」の集まりです。

例えば、映画や漫画のストーリーにも
「こうやれば泣く、こうやれば感動する」
というパターンがあって、
ヒット作を検証してみると
ほとんどがこの法則に当てはまります。
そりゃあもう、引くほどにです。笑
つまり、最悪「理論だけ」でも
ある程度のものは量産できてしまいます。

しかし、これではすぐに

「あー、ここでお涙ちょうだいするんでしょ、ハイハイつまんねえ」

ともなります。それは、「理論」ばかりで「感情」がないから、商業的でつまらなくなるのですね。

ですから、やはり理論だけではダメなのですが、しかし感情だけで「感動させたいんだけど、どうしたらいいのかわからない…!」と苦しんでいる人にとっては、理論はまさに神のごとき道具となります。

このように、
感覚と理論というのは
お互いが補い合っている関係です。
それは、本能だけで暴れる織田信長と
それを頭脳で補佐している
明智光秀のようなものです。
光秀だけでは実力が足りませんが、
信長だけではすぐに暴走して終わりです。
お互いに補い合っているので、
どちらが欠けても成立しません。

音楽理論はあった方がいいの?

「成功には型やパターンがある」

これは、スポーツや音楽にも当てはまります。

スポーツで正しいフォームから外れていると、
体の一箇所に負荷が集中して
すぐに故障してしまいます。

歌でも楽器でも、
我流でやっているとすぐに声が枯れたり
腱鞘炎になったりしますね。

これらは、どちらも「すでに膨大な人が過去にやらかしたはずの失敗」を知らなかったのが原因です。つまり、「理論」を知っているかどうかの違いです。

この「こうすればこうなる」というのは、
言い換えると「地図」です。
だって、「こう行くとここに着く」のですから。

そりゃあ、たまには地図なしで旅をするのもいいですよ。しかし、道に迷ったり遭難したりしたくなければ、地図を持って行く方がいいに決まっています。

音楽理論とは、そういう存在です。

じゃあ音楽理論のメリットって何?

僕の場合は、作曲をする時は基本的に
「降ってきた」メロディー以外は採用しません。
つまり、「感覚」ベースです。

しかし、これではどうしても
続きが思いつかない時があります。
これは、作曲をやってことがある人は
わかると思いますが、
作曲で一番恐ろしいのは
「続きが出てこない」時です。

一度詰まってしまうと、あっという間にモチベーションが下がって、結局大量の「作りかけ」の仲間入りになります。

しかし、この時に理論があれば、

「あー、次はこういう進行をするパターンもあるな」

と、的確にアイディアを得ることができます。だから、今のDAW(作曲ソフト)には「コード進行の予測機能」があります。つまり、作曲が詰まった時に「こんな続き方もありまっせ」と提案してくれるのです。超便利ですよね。

これによって、
今まではそこで詰まってお終いだったのが、
ちゃんと曲を完成させることができる。

だから、作品をどんどん投稿できる。
そして、ちゃんと人に聞いてもらえる。
中には、喜ぶ人も出てくる。
すると、自分も超うれしい…という
好循環に入ることができる。

これができるのなら、理論というのはめちゃくちゃ素晴らしいものだと思います。
もちろん、基本は「何かを表現したい!」という感情なのですが、それをスムーズに進めるためには、理論が不可欠です。

「理論なんか俺はいらねぇ」

と考えていた当時の自分が、
今は正直意味不明です。笑

音楽理論に対する僕の結論

まとめますと、
「理論」とは単体ではつまらないものです。

しかし、「感情」と組み合わせると
絶大な威力を発揮する神の道具です。

ですから、最初の
「音楽理論はあった方がいいのか?」
という質問に対しては、
僕個人としては
あった方がいいに決まっているやん
と思っています。


僕は、基本的にインサート1つだけでMIXをしています。それも、DAW付属の「オマケみたいなチャンネルストリップ」だけです。

MIXにかかる時間は最短4時間くらい、
オーディオIFは使わないこともあるし、
最悪iPhoneのイヤホンだけで
MIXすることすらあります。

実際のMIX画面を見てもらえば、様子がわかると思います↓
(1分もありません)

「ほんまかいな」ですよね。
ほんまかいなでしょうが、まずは
こういう世界もあるということを
知っておいて欲しいのです。
(詳しい説明は、このページに書いています)

「いや、お前には才能があったんだろ?」
とも言われます。しかし、
僕は「これは誰でもできる」と確信しています
(実際に、僕が教えた人もできるようになりました。さっきのページに、教えた人たちの音源も載せています)

むしろ、僕は才能があったわけでも
初めからうまくいったわけでもなく、
MIXに関しては
誰よりも苦しんで、誰よりも失敗した
自信があります。

作曲に憧れた15歳、
就職してしまった20代、
音楽で生きる決意をして
仕事を辞めた28歳。

そこからは、正直地獄でした。僕は、MIXができなかったせいで、その後8年間を棒に振りました
自分の音が安っぽい。
でも、いくら勉強してもわからない。
なんとかしたくて、機材に合計600万円もつぎ込みました。しかし、それでもMIXはできるようにはなりませんでした

仕事もなく、お金もなく、
毎日家にこもって作業をし、
不安でおかしくなりそうでした。
思い出すだけでもしんどいです。

でも、そんな僕でも、
今では驚異的な速度で
MIXができるようになりました。
そして、とうとう15歳の時の夢が
現実になりました。

好きな音楽が仕事になる。
毎日、ストレスも不安もない。
自分のやりたいようにやれば、
みんなが喜んでくれる。
こんなにワクワクする人生はありません

なぜ、MIXができるようになったのか?
それは、
高価なプラグインを買ったからでもなく、
闇雲に努力したからでもなく、
単純に
効率の良いやり方を知ったから
でした。

一体どういうことか?
詳しくは、僕が「知識だけで」自由にMIXができるようになるまでの過程を、下の記事で公開しています。
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E.L.V.Nイレヴン

初めまして、E.L.V.Nのユーキです。

15歳から作曲を始めた、元プロ作曲家。写真スタジオチェーンのテーマ曲などをはじめ、世界で55万本売れたセガの「初音ミク Project DIVA」シリーズや、エグジットチューンズのメジャーCDシリーズ等に楽曲を提供。ネット上では、計60万回ほど再生。(トップページでは、主要な作品を聞くことができます)

現在は、4時間でできる「常識を破壊するMIX」を教えるプロのMIX講師として、超大手ゲーム会社の音楽スタッフ陣に公式にMIXを教えるなど、MIXの指導歴は300人ほどに上る。


ユーキ:
作詞、作曲、ベース、ボーカル、Vocaloid調声、動画、Webデザイン

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作曲、ギター、歯ぎしり、尻もち、霧吹き