何がいいの？

「MIXができて、何がいいの？」

というのは、たまに言われることだ。
確かに、わかりにくいと思う。

「MIXができないと、どれだけ困るか」は「MIXは「自力でやる」or「人に頼む」？」に書いたが、ここでは

「どんないいことがあるのか？」

を書きたい。

一言で言うと、今までの「コスト」がすっかり消える。コストとは、「時間」「お金」「心」「体」の４つだ。

心のコスト

MIXができない心労というのは、例えると「何をやっても好きな人に振り向いてもらえない時」の気持ちに似ている。

苦しい。
しんどい。
どうしたらいいかわからん。
つらい。
もうあかん。
できひん。
あきらめたい。
あきらめられへん。
しんどい。
どうしたらいい。
苦しい。
（繰り返し）

これらが、今は

楽しい。
ラク。
わかる。
気持ちいい。
何でもできる。
僕ってすごいな。
こんなに進んだ。
もっとやりたい。
かかってこい。
楽しい。
（繰り返し）

単純に、めちゃくちゃ気分がいい。
どんな相手でも好きなように落とせる状態、と言うと、品がないけど。

時間のコスト

とにかく、MIXは日常的に迷走する。

コンプのパラメーターが決まらへん。
EQの帯域が決まらへん。
リバーブが決まらへん。
どのプラグイン使うか決まらへん。
うわ３時間経ってる。
今日はギターしか終わらんかった。
最低や。
昨日のギター、今日聞いたら変や。
やり直しや。
EQの帯域が決まらへん。
どのプラグイン使うか決まらへん。
うわ３時間経ってる。
今日もギターしか終わらんかった。
最低や。
昨日のギター、今日聞いたら変や。
（繰り返し）

これを書いているだけで、思い出して正直しんどい。だけど、今は

コンプ決まった。
EQ決まった。
リバーブ決まった。
付属のプラグインで十分。
はいボーカル終わった。
はいギター終わった。
ベース終わったドラム終わった。
時間余った。
リバーブ色々試して遊ぼうかな。
はい完成。

この気持ち良さが、伝わるだろうか？？

お金のコスト

僕は、有料プラグイン大好きで、毎月３〜４万円は必ずプラグインに使っていた。
でも、それがピタッとなくなった。だって、どんなプラグインでもMIXできるようになってしまったからだ。
無料のでも十分だし、有料のは４００個近く持ってるけど、使うのは５個ぐらいになってしまった。

モニタースピーカーも、
ヘッドホンを合わせて
５種類持ってるけど、
１種類しか使わなくなった。
というか、
パソコンにiPhone付属のイヤホンを
直接挿したただけでもできた。

つまり、１０万円以上もするスピーカーだのオーディオIFだのは、別になくてもよかったわけだ。

あと、これに味をしめて「無料のソフトだけで、完全０円のMIXはできるか」という実験もしたのだけど、これも普通にできた。

今までのは、一体なんやったんや…。

他にも、使わなくなった道具は山ほどあって、いかに無駄なことをしていたかがよくわかった。
最初からこれを知っていれば、僕はせいぜい数万円で今と同じことができていたことになる…。

体のコスト

ストレスだ。

ある時、締め切りに間に合わず、意地になって徹夜でMIXをしていたら、耳鳴りが止まらなくなってしまった。実は、それは今も続いていて、病院に行ったけど異常はなく「ストレス」と言われた。

他にも、「飛蚊症」だの「扁桃腺炎」だの、ストレスが原因の慢性的な不調をいくつも抱える羽目になった。

今考えると、僕にとってMIXはめちゃくちゃストレスだったんだと思う。

今では、こうした症状とは無縁になったが、ちゃんとしたやり方を知らなかったというだけで、体まで壊してしまっていた。
普通に恐い。

どんなに気持ちいいか

こんな風に、
「嫌い」だったものが
一気に「好きなこと」に変わる。
これほどの快感は、
人生で数えるほどしかない。

僕はカナヅチで、高校の授業中に２回溺れた実績があるが、２５歳で一念発起して水泳の教材を買い、プールに通い、数ヶ月後にクロールができた時には、人の大勢いるプールで叫び出しそうになった。
それほど気持ちよかった。

僕は、仕事を辞めて音楽の道に入った。
アホだと思ったが、
どうしてもやりたかった。
活動を始めてすぐに、
MIXが必須であることはわかった。
MIXひとつで、再生数が
１桁変わってしまうことも知った。
だから、時間もお金も、
持っているすべてをつぎ込んだ。

しかし、「MIXで600万円と8年を失った僕が伝えたい「９割の人がハマるドツボのパターン」とは？」に書いた通り、ありがちなMIXの沼に次々とハマり、冗談抜きで破滅寸前まで行った。最低の８年だった。

だけど、僕は運良く
「正しいMIXのセオリー」を
知ることができた。
そのおかげで、
今まで１曲に６ヶ月ぐらい
かかっていたMIXが、
何も考えなくても４時間とかで
終わってしまうようになった。

僕自身が一番びっくりした。

これは、セオリーという「九九」を知ったことで、考える必要がなくなったからだ。
例えば、九九を知っていればすぐに答えが出る。考えなくてもできるし、小学生でもできる。
だから、これ自体は別に不思議なことではない。

こうして手に入れた
「MIXできる能力」は、大げさではなく
「空が飛べた」とか
「物を浮かせた」
とかいうレベルで、
新たな身体能力を手に入れた気分だった。

まさに、水泳の時と同じだ。
この感覚は、病みつきになる。

最大のメリット

素人臭い音は、人を不快にさせる。
でも、音楽は本来「楽しい」ものだ。
つまり、それが当たり前なのだ。

聴いていて楽しい音が出せれば、
イントロで止められることなく
最後まで聴かれる。
ちゃんと中身を評価してもらえる。
再生数も伸びる。
コメントがつく。
時にはファンがつく。
こういう「当たり前の循環」が始まる。

つまり、当たり前のことができれば、当たり前の反応がもらえるのだ。

これが、どんなに嬉しいことか。
どれほど苦労が報われるか。

MIXは、確かに、ちゃんとしたやり方を知らなければ難しい。僕もえらい目にあった。
だけど、「難しい」というのは同時に、ものすごいメリットだ。

なぜなら、
自分にとって難しいことは、
他人にとっても難しいのだ。

だから、ちゃんとできる人はほとんどいない。それは、周りの曲を聴けばすぐわかるし、ヤフー知恵袋を見てもMIX関連は悲惨な質問でいっぱいだ。

つまり、ライバルが圧倒的に少ないのだ。
「難しい」ことをきちんとやる人は、めちゃくちゃ少ないし、ほとんどが挫折する。

だからこそ、やるべきなのだ。
なぜなら、やりさえすれば
圧倒的な存在になれるからだ。
そして何より、MIXは実は簡単だ。

こうなると、やらない理由はどこにもない。

何はともあれ、必ず読んでほしいのは、MIXで600万円と8年を失った僕が伝えたい「９割の人がハマるドツボのパターン」とは？だ。
なぜなら、９９％の人がハマる、ドツボの「パターン」があるからだ。これを知ってさえいれば、少なくとも同じドツボにハマることはない。
僕の持っている情報が、誰かの役に立てたら嬉しい。

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