全インサートがたった1つに!Studio Oneの超絶プラグイン「Channel Strip」のバグと対処法
常識を超えるStudio Oneのchannel Stripとは?
まず、
「DAWに付属のチャンネストリップが、そんなすごいわけあるか」
となると思うので、実際に全トラックでChannel Stripのみを使っている様子を見てください。
(いつものMIX見本です。1分もありません↓)
このMIX見本では、全てのトラックで、Studio One付属の「Channel Strip」のみを使っています。
この「Channel Strip」は、
コンプはスレッショルドしかなく、
アタックは3種類から選ぶだけという
異様なシンプルさ。
EQも、ローシェルフとハイシェルフに
ピークが1箇所という、
たったの3箇所。
「これでは不十分やろ」
と思って、ずっと使わずにいましたが、
試しに使ってみた結果が、上の動画でした。
目ん玉飛び出そうでした。
お聞きの通り、非常に音がいい。
シンプルだから、めちゃサクサクMIXが進むのに、
音も十二分に良い…。
ということで、Studio Oneをお持ちの方には勧めまくってます。
他にも、Studio Oneはとにかくワークフローがシンプルで、Cubaseのように
「プラグインにプリセットを保存するだけで、何回クリックさせるねん!」
というような、いちいち集中力が途切れるようなことは全くなく、とにかくエレガントに、流れるような作業が可能になります。
これは、10年以上使ったCubaseから乗り換えた僕にとっては、本当に衝撃でした。Studio Oneに乗り換えたおかげで、今の僕の4時間で終わる非常識なMIXのやり方に行き着いたのは事実ですから。
Studio One Channel Stripのバグとは?
この「Channel Strip」に、先日バグを見つけました。
どんな時に起こるか
- 設定で「処理精度」が「シングル(32ビット)」になっている時
- オーディオ関連の設定を変更した時
どんな症状になるか
Channel Stripのコンプのかかり方が大きく狂う
対策は?
「処理精度」を「ダブル(64ビット)」にしておくこと
(※ Studio One Professionalのみ可能。Professional以外の人は下記参照)
Studio Oneのバグについて詳しく
具体的に、どうコンプが狂うかというと、
アタックがすっぽ抜けて、圧縮感がてんで無くなります。
とりあえず、実際の発症の様子を動画にキャプチャーしました。これは、
「サンプリングレートを変えると、コンプのかかり方が狂う」
様子です。
あなたは、音の違いに気が付きますか?
コンプに慣れた方はすぐにわかるかもしれませんが、
わかるまで何度か繰り返して聞いてみてください。↓
「ターン!ターン!」だったスネアが、
途中で設定を変えたとたんに
「ベコ!ベコ!」に変わったのがわかりますか?
これがバグです。
どんな時にStudio Oneにバグが出るの?
発症するのは、とにかく「オーディオの設定を変更したとき」です。例えば、
「サンプリングレート」を変更したり
「オーディオ設定」→「オーディオデバイス」タブ→「デバイスブロックサイズ」を変更したり
「オーディオ設定」→「プロセッシング」→「ドロップアウト保護」で、その下の「プロセスブロックサイズ」が変わるような選択をしたり
「オーディオ設定」→「プロセッシング」タブ→「処理精度」を変更したり
…した時です。
これらの操作をすると、「正常 ↔︎ 異常」が交互に変わります。
実際の様子をキャプチャしました。↓
最初から発症している場合がある
それ以外にも、知らないうちに、最初から発症している場合があります。
それは、
「オーディオ設定」→「プロセッシング」タブ→「処理精度」
が
「シングル(32ビット)」
になっている時です。
これだと、
Studio Oneを起動した時から
問答無用で狂っています。
なので、もし既にChannel StripでMIXされた方がいたら、初めからコンプが狂っていた(めっちゃ効きが悪かったと思います…)可能性があるので、確認してみてください。
これを回避するには、
「ダブル(64ビット)」にしておけば、起動時から正常な音で鳴ります。
しかし、この設定はStudio One Professional以外ではできませんので、その場合はさっき書いた「オーディオ関連の設定のどれか」を変更すれば直ります。
例えば、
「デバイスブロックサイズ」を
変えておくのが無難だと思います。↓
これで、Studio Oneを終了するまでは
「正常」のままで使えます。
ただし、次にStudio Oneを起動すると
また狂っているので、
起動のたびに変更する必要があります。
サンプリングレートの違う曲に注意
他にも、
「前回開いたソングと、サンプリングレートが異なるソング」
を開くと、最初から発症します。
例えば、前日に44.1kHzのソングファイルを開いて、
翌日に48kHzのソングファイルを開くと、
最初から狂ってます。
サンプリングレートが変更されるからですね。
Studio Oneのバグの対処法は?
以上から、最も根本的な解決策は
「処理精度」を「ダブル(64ビット)」にしておくことです。
Studio One Professional以外の方は、
起動のたびに「デバイスブロックサイズ」を
変えると良いです。
Studio Oneのバグ対策のまとめ
まとめると、
- 「処理精度」が「シングル(32ビット)」になっていると、コンプのかかり方が狂っている
- 「オーディオ」関連の設定を変更すると、「異常 ↔︎ 正常」が切り替わる
- 根本対策は「処理精度」を「ダブル(64ビット)」にしておくこと
- Professional以外では、起動のたびに「デバイスブロックサイズ」を変えておく
- 「ダブル(64ビット)」にしていても、前回と違うサンプリングレートのファイルを開くと狂っているから注意
Studio Oneは、とにかく
「作業の無駄を1クリックでも減らしてやろう」
という理念があるDAWです。
起動の速さや、動作の軽さもそうです。
長年愛用していたCubaseとは違って、
「作りたい」という気持ちを遮られたことは
一度もありませんでした。
MIXは、すぐに余計な作業が増えてきて、気がつけば泥沼になっています。プラグインも、拾ったテクニックも、雪だるま式に増えて、そのせいで余計にMIXが進まなくなります。
「ボーカルの音作りで1週間」なんてざらでした。
僕は、8年ぐらいそれで悶え苦しみました。
まじで。
しかし、Studio Oneと出会ったのもあって、
「どうせなら、1ミリでもMIXの無駄を削ぎ落としたろう」
と本質を突き詰めた結果、
今では4時間という異常な短時間で
思い通りのミックスができるようになりました。
正直、Studio Oneと出会わなかったら
これはなかったと思うんですよ…。
(この時の話は、MIXで600万円と8年を失った話に詳しく書いていますので、興味のある方はどうぞ。)
その意味でも、このStudio OneとChannel Stripは、個人的にナンバーワンでおすすめです。
以上、Studio Oneの超優秀プラグイン「Channel Strip」に見つかったバグと、その対策でした。
僕は、基本的にインサート1つだけでMIXをしています。それも、DAW付属の「オマケみたいなチャンネルストリップ」だけです。
MIXにかかる時間は最短4時間くらい、
オーディオIFは使わないこともあるし、
最悪iPhoneのイヤホンだけで
MIXすることすらあります。
実際のMIX画面を見てもらえば、様子がわかると思います↓
(1分もありません)
「ほんまかいな」ですよね。
ほんまかいなでしょうが、まずは
こういう世界もあるということを
知っておいて欲しいのです。
(詳しい説明は、このページに書いています)
「いや、お前には才能があったんだろ?」
とも言われます。しかし、
僕は「これは誰でもできる」と確信しています。
(実際に、僕が教えた人もできるようになりました。さっきのページに、教えた人たちの音源も載せています)
むしろ、僕は才能があったわけでも
初めからうまくいったわけでもなく、
MIXに関しては
誰よりも苦しんで、誰よりも失敗した
自信があります。
作曲に憧れた15歳、
就職してしまった20代、
音楽で生きる決意をして
仕事を辞めた28歳。
そこからは、正直地獄でした。僕は、MIXができなかったせいで、その後8年間を棒に振りました。
自分の音が安っぽい。
でも、いくら勉強してもわからない。
なんとかしたくて、機材に合計600万円もつぎ込みました。しかし、それでもMIXはできるようにはなりませんでした。
仕事もなく、お金もなく、
毎日家にこもって作業をし、
不安でおかしくなりそうでした。
思い出すだけでもしんどいです。
でも、そんな僕でも、
今では驚異的な速度で
MIXができるようになりました。
そして、とうとう15歳の時の夢が
現実になりました。
好きな音楽が仕事になる。
毎日、ストレスも不安もない。
自分のやりたいようにやれば、
みんなが喜んでくれる。
こんなにワクワクする人生はありません。
なぜ、MIXができるようになったのか?
それは、
高価なプラグインを買ったからでもなく、
闇雲に努力したからでもなく、
単純に
「効率の良いやり方を知ったから」
でした。
一体どういうことか?
詳しくは、僕が「知識だけで」自由にMIXができるようになるまでの過程を、下の記事で公開しています。
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