「迫力がない」「音がペラペラする」と感じる人へ
音がペラペラ
いろんな曲を聴いていると、
「ボーカル巨大症」と
「高音崇拝」の曲が本当に多いです。
ボーカル巨大症は、
文字通りボーカルが大きすぎて
全然伴奏の迫力が聞こえない症状です。
高音崇拝は、
パッと見はいい音に聞こえるけど
サウンドがペラペラで、
耳が疲れてくる症状です。
ご自分のMIXや、身の回りの曲を思い出してください。こういう症状の曲はありませんか?あっちこっちにあります。プロの曲でもすごく多いです。
もちろん、MIXのバランスはほとんど「好み」なので、意図してこういう音を出している人もいます。曲の雰囲気にフィットしているなら、全く問題ありません。しかし、明らかに聞く人を不快にしている場合は、問題です。
不快な音
不快な音を作る人というのは、
「自分の出したい音」を出しています。
もっと言うと
「ウケると思っている音」を出します。
しかし、これではウケません。
MIXを勘違いしている人が多すぎます。
MIXで一番大切なのは、
「聞く人が、心地良くなること」
です。
例えば、合コンでモテたければ
「この人といると心地良いな〜」
と思ってもらうことが必要です。なのに、
「俺はさ、見ての通りさわやか系だよ。
モテるって聞いたんだよ。
好きなんだろ?さわやか系。
人気の腕時計もバッチリ決めてるよ。
いいだろ?お前らこういうの好きなんだろ?
俺を好きになれよ、なってくれよ、ホラ」
と言っても、絶対にモテません。むしろ、みんな離れていきます。当たり前ですよね。でも、これを同じことを僕たちはMIXでやっているのです。
「気づけない」恐怖
たくさんの人に曲を聴いて欲しいなら、「心地良く聴ける音」にするのは当たり前です。なのに、ほとんどの人は「自分の聞かせたい音」をゴリ押ししています。
誰にも聞かせないのなら、それでもいいです。でも、1人でも聞く人がいるなら、相手への気配りが必要です。それができない表現者は無責任であり、わがままであると思います。
ただ、この気持ちは本当によくわかります。
僕だって、かつてはそうでした。
僕たちは、みんな「好かれたい」のです。
「気に入られたい」し、
「褒められたい」し、
「いい音だと思われたい」のです。
それが、空回りして僕たちの客観性を失わせ、
アンバランスなMIXにしてしまいます。
しかし、最も怖いのは、このことに「自分で気づけない」ことです。そのまま「不快なMIX」をし続け、どんどん聞き手に嫌われていることに、気づけないのです。
回避する方法
これを回避する方法は、2つあります。
1つは、
MIX用の「リファレンストラック」を立てることです。
リファレンスとは「参考」のことで、MIXのお手本にする曲のことです。
まず、自分で「心地いい、何時間でも聴いていたい、こんなバランスにしたい!」と思える曲を探して、MIXではその曲と同じ音になるように作業します。
これなら、その音から離れることはないので、客観性を保てます。
もう1つは、
スマートフォンのスピーカーでMIXをチェックすることです。
これはとても役に立ちます。
「えっ、なんで?
MIXのチェックは、
モニタースピーカーのような
ちゃんとしたスピーカーで
するんじゃないの??」
と思うかもしれません。
しかし、それは逆です。
むしろ、スマートフォンのスピーカーのような無茶苦茶チープなスピーカーでチェックする必要があります。なぜなら、ちょっとでも変なバランスの音を出すとすぐに破綻するので、簡単にミスに気づけます。
逆に言うと、このスピーカーで破綻しないMIXというのは、バランスが取れたMIXであり、どんなスピーカーで鳴らしても破綻することはありません。
特に、「ボーカル巨大症」にはもってこいです。なぜなら、スマートフォンのスピーカーで再生できる音はとても限られているので、ちょっとでも大きすぎる音があったら、あっという間に他の音が聞こえなくなります。だから、ボーカル巨大症はものの数秒でわかります。
決して、
「なんやねん、
スマホのスピーカーぐらい。
そんなんで聞く方がおかしいんや、
モニタースピーカーでちゃんと聞こえれば
いいやんか」
とは思わないでくださいね。
だって、今はみんなどんな曲でも、最初は「スマホのスピーカー」で聴くのですから。
弱い生き物
今回お話したのは
- リファレンスを立てる
- スマホのスピーカーでチェックする
という工夫でした。
僕たち人間は、不安定で弱い生き物です。
だからこそ、
うまく工夫しながら自分と付き合うことで、
その弱点をカバーすることができます。
僕がいつもやっている方法です。
ぜひやってみてください。
僕は、基本的にインサート1つだけでMIXをしています。それも、DAW付属の「オマケみたいなチャンネルストリップ」だけです。
MIXにかかる時間は最短4時間くらい、
オーディオIFは使わないこともあるし、
最悪iPhoneのイヤホンだけで
MIXすることすらあります。
実際のMIX画面を見てもらえば、様子がわかると思います↓
(1分もありません)
「ほんまかいな」ですよね。
ほんまかいなでしょうが、まずは
こういう世界もあるということを
知っておいて欲しいのです。
(詳しい説明は、このページに書いています)
「いや、お前には才能があったんだろ?」
とも言われます。しかし、
僕は「これは誰でもできる」と確信しています。
(実際に、僕が教えた人もできるようになりました。さっきのページに、教えた人たちの音源も載せています)
むしろ、僕は才能があったわけでも
初めからうまくいったわけでもなく、
MIXに関しては
誰よりも苦しんで、誰よりも失敗した
自信があります。
作曲に憧れた15歳、
就職してしまった20代、
音楽で生きる決意をして
仕事を辞めた28歳。
そこからは、正直地獄でした。僕は、MIXができなかったせいで、その後8年間を棒に振りました。
自分の音が安っぽい。
でも、いくら勉強してもわからない。
なんとかしたくて、機材に合計600万円もつぎ込みました。しかし、それでもMIXはできるようにはなりませんでした。
仕事もなく、お金もなく、
毎日家にこもって作業をし、
不安でおかしくなりそうでした。
思い出すだけでもしんどいです。
でも、そんな僕でも、
今では驚異的な速度で
MIXができるようになりました。
そして、とうとう15歳の時の夢が
現実になりました。
好きな音楽が仕事になる。
毎日、ストレスも不安もない。
自分のやりたいようにやれば、
みんなが喜んでくれる。
こんなにワクワクする人生はありません。
なぜ、MIXができるようになったのか?
それは、
高価なプラグインを買ったからでもなく、
闇雲に努力したからでもなく、
単純に
「効率の良いやり方を知ったから」
でした。
一体どういうことか?
詳しくは、僕が「知識だけで」自由にMIXができるようになるまでの過程を、下の記事で公開しています。
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